雨音の会

俳句アンソロジー

2010年1月の句会

   
   松とれて動き始める万歩計     静
   サンルーム鉢植乾く春隣      静
   初雪や墨絵のごとく遠山並     静
   気がかりを一つ残して福寿草    静
   大木に冬芽ふくらみ野鳥飛ぶ    静


   あらためて国語見直す年初め      紅葉
   陽光にさそわれしごと冬の梅      紅葉
   七草や古きならいにしたがいて     紅葉
   うつし世のながれのままに去年今年   紅葉
   疎遠なる友より電話冬ぬくし      紅葉


   羽子板市今年の人気だれの顔     八重
   温暖化地震竜巻大雪も        八重
   新年の今年こそはと願い込め     八重
   帯締めて背筋伸ばして初詣      八重
   南天の目の愛らしく雪兎       八重


   走る子の破魔矢の鈴の鳴りやまず    光
   待ち合わせ夫と恋めく枯葉径      光
   鳥来れば甘き金柑譲りけり       光
   師走空捨猫五匹尾根の道        光
   紅葉していまだ艶やかブルーベリー   光


   冬枯れの枝の間に星ひとつ      雪
   大寒や窓越しの陽にあたたまる    雪
   闊歩する町並み広き冬日和      雪
   黒々と桜木せまる夜を逍遥      雪
   手に置きて刻の止まりし古日記    雪


   金色の三日月ふ女称正月       恵
   肺に浸む冬満月の匂ひかな      恵
   せんべいの丸や四角や冬尽きる    恵
   裸木の枝ぶりが舞ふ月を得て     恵
   一と雨に冬遠ざかる朝まだき     恵


   生協の集いにぎはふ味噌作り         いちご
   庭隅を染め森閑と寒椿            いちご
   オリオン座凍て南中の一文字         いちご
   吾こそ欲しバレンタインデーのチョコレート  いちご
   物置の裏のリヤカー春近し          いちご


  1. 2010/02/04(木) 21:37:47|
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謹賀新年

  みなさまのご多幸をお祈り申し上げます。

  1. 2010/01/06(水) 21:35:47|
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12月の句会

冬鷗風の運河を溯る         恵
冬ざれや杖の一本あればよし     恵
家猫の抱かれ上手や冬深し      恵
大多摩の柞紅葉の散り盛り      恵
街騒の寄せては落葉一しきり     恵


老い寄れば政治の話蜜柑むく     雪
久々に姉妹語らうクリスマス     雪
白菜に塩振る母の手の赤き      雪
婚礼の社に凛と冬木立        雪
冬木立幹の節くれ神の園       雪


夕映えの五重塔や桐一葉          八重
冬枯や免許更新まだいける         八重
河豚ちりに一人膳とはいと淋し       八重
さつまいも焚火に入れてなつかしき     八重
ふうふうと煮えたる大根舌づつみ      八重


闇汁会あやしき物の箸にふれ       光
能舞を真似たるやうな冬の蝶       光      
雨降りて心せかるる冬支度        光
冬晴れや丹沢秩父遥かにす        光
冬紅葉錦とどめて山の湖         光


いささかの気配にさとき笹子かな      紅葉
また消える友がりの灯や枯芙蓉       紅葉
根本まで日射のとどく枯木立        紅葉
あかねさすメタセコイヤのもみじかな    紅葉
今年こそ今年こそはで年暮るる       紅葉


帰るべきふるさともなし冬木立      いちご
冬凪や耐えて言霊消えしまま       いちご
眠られぬものも包みて山眠る       いちご
失策の旅のあくる日おでん煮る      いちご
蔓枯るやただに疲れて旅の後       いちご


  1. 2009/12/23(水) 20:06:48|
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11月の句会

神の留守家の中より猫叱る      恵
ぎんなんを幾つも踏んで音もせず   恵
榠樝照る門の大きな一軒家      恵
帰り花赤子の声の久しぶり      恵
凩や臼に罅ある民家園        恵


二羽三羽声かけるごと木守柿    紅葉
昭和の灯また一つ消ゆ九月尽    紅葉
夕映えや塔にからまる蔦もみじ   紅葉
ふるさとの話はずめり菊膾     紅葉
小春凪うごくともなく飛行船    紅葉


雪の富士めざして獅子座流星群    幸
石蕗咲くや文鳥の墓猫の墓      幸
綿虫をひいふうみいよ追ひかける   幸
日の暮は人の恋しき雪ばんば     幸
石蕗咲くや横丁にある猫溜り     幸


再びのコーラスの友冬の街      雪
切々と鳴く鳥影や冬木立       雪
小春日や天道虫の二、三列      雪
陽燦々落葉軋ませ車椅子       雪
枇杷の花一枝匂いて娘の嫁ぐ     雪

            
綿入れや母のぬくもり今もなお    静
観劇や余韻残して寒き風       静
一人行く湖の冴ゆる月友として    静
熊笹に朝霜仄か宿の庭        静
舞い落ちる葉拾う子らの冬帽子    静

            
躓づきし目に鮮やかな草紅葉      光
訪づれて待ちしひととき吾亦紅     光
捨猫の身寄せしところ木の実降る    光
草の花手折りて活けし茶席かな     光
はり絵めく雨の舗道の落葉かな     光

           
歌舞伎座へ着物選びし小夜時雨     八重
散るもみじ踊りひらひら掌に      八重
軒下に簾のごとしつるし柿       八重
木に残る柿の実一つカラスの目     八重
立冬は厳の入り口背筋張る       八重
               

山茶花の少しみだれて曲がり角    八千代


さざんかの散りて咲出づ埴生の宿   いちご
帯解きや写真セピアの色褪せし    いちご
遠富士のきはだつ勤労感謝の日    いちご
冬構媼あくまで老舗守る       いちご
黙然と座してうるはし木の葉髪    いちご

               


  1. 2009/12/23(水) 19:54:07|
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10月の句会

秋高し編隊ヘリの二十五機         紅葉
武蔵野のおもかげ今に真葛原        紅葉
千古より忍野八海水澄めり          紅葉
秋闌けて彩り映ゆる四方の景         紅葉
垣よぎる風の色にも冬隣り           紅葉

音立てて冬の近づく景色かな         八重
祝い事早くも我が身敬老の日         八重
赤い羽根胸にチクリと針の先         八重
韓流のいまだ見飽きぬ秋の夜        八重
新米や炊き上がりては顔を寄す       八重

小石投げ川面の月を乱す子ら         昇
名月も松も映りし水鏡              昇
爽やかや水面きらめく山の湖          昇
永観堂何処ともなく昼の虫            昇
熟れ兆す鈴なりの柿陰を置く           昇

日溜りに烏瓜ある山の道            静
畳替へ広告あるや冬近し            静
秋寒し隣家の暖炉薪香る            静
十月の桜優しや駐車場             静
朝からの晴天称え富士白し           静

日溜りにしろつめくさの帰り咲          雪
クレーンの空に伸びゆく良夜かな        雪
夜も更けてケータイ切れば秋雨かな      雪
今年また母の贈りし秋刀魚ずし         雪
片隅の小さき原の草の花             雪

塩壺に秋さぶの冷ありにけり          恵
爽やかやすずかけの幹迷彩斑         恵
稲架幾重遠くに夕日落ちにけり         恵
また一つ抜け道おぼゆ鳳仙花          恵
台風の目のよう茶筒空っぽに          恵

喧嘩する相手は来世冬隣り           いちご
梁のきしむ夜寒や祖父の家           いちご
大鉢の野菜に添えし檸檬の香         いちご
柿赤し鳥の忙しく枝渡る             いちご
長話して小春日の民家園            いちご


  1. 2009/11/24(火) 23:16:13|
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